養鶏業者のための研究記事
採卵鶏の飼育・鶏舎管理・飼料・照明・健康・福祉に関する査読論文の日本語要約。
各記事の背景・要旨は無料で公開しています。
詳しい実験設計、数値、現場応用のヒント、出典情報を含む全文は、note(鶏論)で1記事200円で販売しています。
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PRO なぜ高齢の鶏は『薄い殻と水っぽい卵白』を産むのか──100週齢まで産ませる時代の卵質低下メカニズム
産卵期間を72週から100週へと伸ばす『ロングシーケンス』の流れの中で、卵殻が薄く卵白が水っぽくなる原因を整理。スコットランド・フランス・英国の合同レビューが、4つの故障ポイントと有効な対策を提示した。
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PRO 鶏はなぜ砂を浴びるのか──砂場の広さで変わる『なりすまし砂浴び』
鶏は砂をかぶり、翼を振って羽の手入れをする『砂浴び』を欠かせない行動として持つ。ドイツの研究チームが5つの飼育システムで観察した結果、砂場が小さいシステムでは砂のない金網上で動作だけを反復する『なりすまし砂浴び』が4割に達した。
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PRO 孵化後48時間で、出荷時の体重まで決まる
孵化後2時間以内に給餌した雛は、48時間遅れて給餌した雛に比べ21日齢で53g重く、腸絨毛・甲状腺ホルモン・腸内細菌叢の発達も優れていた。中国・浙江大学が900羽のブロイラーで50日間追跡した研究。
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PRO 強制換羽は本当に必要か──完全断食と『少しだけ食べさせる方法』を比べる
高齢になった採卵鶏の産卵を一度止めて再開させる『強制換羽』。古典的な完全断食ではなく、1日50gだけ食べさせる『非断食換羽』を行うと、肝障害が軽くなり、二次産卵期のピーク産卵率は89.7%まで上昇した。中国で90週齢180羽を3群に分けて比較した90日間の研究。
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PRO 鶏舎のLEDは何色がよいか──赤・青緑・白・黄橙で羽つつきと共食いを比べる
赤・青緑・白・黄橙の4色LED照明を、ハイラインブラウン採卵鶏1,440羽で40週間比較。赤色光下では重度の羽つつきが0.88回/5分、共食い死亡率2.65%にとどまり、白色光(3.78回/5分・5.31%)より明確に低く抑えられた。
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PRO 夜の長さが、鶏の骨を決める──標準16L:8Dと暗期分割(W1・W2)の比較
採卵鶏の暗期は骨カルシウムが卵殻へ動員される時間でもある。米国クレムソン大学チームは、標準的な16L:8D照明と、暗期に1〜2時間の光を挿入した分割照明を50週間比較。暗期分割群では70週齢の脛骨破断強度・骨灰分率・産卵率がそろって改善した。
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PRO 鶏舎のアンモニアはどこまで産卵を落とすか──20 ppmで産卵率は5%下がる
鶏舎内のアンモニア濃度を≤5/20/45 ppmの3水準で20週間飼育したところ、20 ppmで産卵率は5.29ポイント、45 ppmで11.99ポイント低下した。冬季の換気制限が招くアンモニア滞留は、低温そのものより産卵に響く。
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PRO 鶏に『善玉菌』を与えると、卵はどう変わるか
鶏のエサに4種類の『善玉菌』や酵母を混ぜた、500羽規模の飼育実験。どの組み合わせでも餌の節約につながり、種類によっては卵の重さや産卵率が明確に上がった。さらに体内の炎症も静まり、ヨーグルトや納豆が人間の腸に働くのと同じように、鶏のお腹にも働くことが示された研究。
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PRO 鶏の飼料を昆虫に置き換えたら、卵はどう変わったか
平飼い採卵鶏の飼料に含まれる大豆粕を、昆虫(アメリカミズアブ幼虫)の粉に置き換えた研究。産卵率や飼料摂取量は変わらず完全置換が可能だった一方、卵黄の色は半分の濃さに低下し、ω3脂肪酸は22%減少。ビタミンEやカロテノイドは逆に増え、栄養成分に大きな再編が起きることが分かった。
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PRO オレガノで卵は変わるのか?──ハーブが卵殻・栄養・腸内環境にもたらす効果
ピザの風味付けでおなじみのオレガノ。その精油(エッセンシャルオイル)が、鶏の飼料に加えると卵殻を厚くし、卵の栄養を濃くし、腸内環境を整えるという研究が中国から報告された。300羽の採卵鶏を5群に分けた100日間の試験で、わずか25 mg/kg のオレガノオイル添加で卵殻厚が32%増加、PUFA・ビタミンB群・セレン含量も上昇。抗生物質に頼らない『天然の改善剤』として、ハーブがどこまで使えるかを読み解く。
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PRO 暑さと湿度で、ニワトリの卵はどう変わるか
夏の卵の殻が割れやすいと感じたことはないだろうか。韓国の研究チームが採卵鶏を気温と湿度の異なる5環境で28日間飼育した結果、蒸し暑い環境では飼料摂取量が15%減り、猛暑環境では卵殻が16%薄くなった。さらに、同じ気温でも湿度が高いだけで産卵性能が下がることも示され、「夏の卵」に起きていることが数字ではっきり見えてきた。
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PRO 鶏種で殻のミネラルは変わるのか──青・茶・白の3品種比較
卵の殻は「ほぼカルシウム」と思われがちだが、鶏種で中身は意外と違う。ポーランドの研究チームが、青い卵を産むアローカナ、濃い茶色の卵を産むマラン、白い卵を産むレグホーンの3品種の殻を分析。殻の強度・厚み・カルシウム含量・マグネシウムなどを比較したところ、濃い茶のマランがすべての物理的指標で最強だった。殻の色の濃さと、殻のミネラル密度には関係がありそうだ。
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PRO 鶏種で卵黄のアミノ酸は変わるのか──名古屋・軍鶏・烏骨鶏ほか5品種の比較
卵の味は鶏種で変わるのか。日本の研究チームが、名古屋コーチン・軍鶏・烏骨鶏・Rhode Island Red・Australorpの純血5品種と2種のF1交雑鶏の、合計81個の卵を分析。『うまみ成分の素』となる遊離アミノ酸の含量を測定したところ、品種ごとに20種類の卵黄アミノ酸のほとんどに有意差があった。日本の地鶏の『うまさ』に、遺伝的背景から科学の光が当たった1本。
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PRO 平飼いの鶏は、みんな外に出ているのか
平飼いの鶏の中にも、積極的に外へ出る鶏と、ほとんど出ない鶏がいる。オーストラリアで約9000羽をRFIDで追跡した結果、全体の20%はほとんど外に出ず、60%はよく外に出るタイプだった。外に出る鶏は産卵初期に高い産卵率を示す一方、産卵後期では出ないタイプの産卵率が上回った。どのタイプからも品質の揃った卵が得られた点も注目される。
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PRO 在来種の卵は本当に『濃い』のか──在来鶏と商業種の比較
在来種の卵は本当においしいのか。スペインのガリシア地方の研究チームが、在来鶏モス(Mos)と商業系ISA Brownの卵を合計288個比較。ハウユニットや卵白の高さなど『新鮮度の指標』では商業種ISA Brownが勝る一方、『卵黄の黄色さ』『茹でた卵の硬さ・もっちり感』『脂肪酸プロファイル』では在来種Mosが上回る。『地鶏の卵が濃く感じる』という感覚に、数字の裏付けが見えてきた。