記事一覧
食卓、買い物、鶏の暮らし——卵と鶏にまつわる世界の研究を、新しい順で並べました。
-
とさかは何のためにあるの?
とさかは、なぜ鶏の頭にあるのでしょうか? ただの飾りに見えるとさかですが、実は体温計・モテのサイン・健康のバロメーターという3つの役割を兼ねています。中国・四川農業大学のチームが天府ブロイラーで「とさかの大きさ」と「ホルモン・免疫・成長」の関係を調べた研究をもとに、隠れた多機能性を読み解きます。
-
卵は茹でる?レンジ?──一番栄養が残る調理法を実験で比べた
茹で・ポーチド・電子レンジオムレツの3方式で卵を調理し比較。タンパク質の吸収は茹でが79%で最高、ビタミンDは電子レンジオムレツが最も多く残った。コレステロールはポーチドが一番減らない。一律の正解はなく、何を優先するかで最適な調理法が変わる。
-
白・茶・青・緑の卵──色の違いはどこから?
卵の殻の色は、なぜ違うのでしょうか?スーパーで見かける卵は白か薄茶ですが、世界には青殻・緑殻・濃い茶殻を産む鶏もいます。中国・浙江大学のチームが4色のアローカナ青殻と白・茶のハイラインを比較した研究をもとに、色を決める2つの色素と「運び屋」遺伝子について読み解きます。
-
スーパーで美味しい卵はどう見分ける?──研究で分かった、本当に効く『たった一つの表示』
茶色い卵は美味しい?平飼い表示は鮮度の証?──イタリアの研究者が4品種・4保存日数で計測した卵の鮮度データから、売り場で本当に頼りになるたった一つの表示を解き明かします。
-
冷蔵庫の卵、いつまで持つ? 温度と保存日数で変わる中身
冷蔵庫の卵はいつまでおいしく食べられるのか。南アフリカの研究チームが冬と春に産まれた卵256個を、0〜30℃の4段階の温度で最長30日間保存し、鮮度の変化を記録した。常温に置かれた卵は30日で重さが約12%減り、卵白の新鮮度を示すハウユニットは100に近い値から60まで半減。一方、冷蔵した卵はほぼ変化なしというコントラストが浮き彫りになった。
-
『地鶏』って何? 国指定17種と地鶏JAS38品種
「地鶏」とは何か。日本では国が17種類の在来鶏を天然記念物として守り、農林水産省が定めた「地鶏JAS」は計38品種を「在来種」と認定。その血を50%以上引いた鶏だけが「地鶏」を名乗れる。日本の地鶏の現在地を整理。
-
オメガ3強化卵は本当に効くのか──亜麻仁・魚油・藻類で卵はどう変わるか
スーパーの棚で見かける「オメガ3卵」。1個でDHAの1日推奨量の100%を取れるという表示は本当なのか。鶏の飼料に亜麻仁・魚油・藻類を加えると、卵のオメガ3量は約2〜3倍、EPAはゼロから新たに蓄積、ω-6/ω-3比は現代食の8:1から2:1へと改善する。2025年のレビュー論文が示した、飼料と卵の栄養の関係を整理する。
-
なぜ卵は朝に産まれるのか?──卵形成の24時間サイクルと朝夕で変わる栄養ニーズ
朝の食卓に並ぶ卵。養鶏場を覗くと、実は大半の卵が午前中に産まれている。なぜ夕方でも夜でもなく朝なのか。答えは鶏の体内で進む25時間の卵形成サイクルにある。卵白は朝に、殻は夜に作られ、早朝に産卵──この生体リズムに合わせて飼料を朝夕で切り替えると、採食量が6.45%減り、飼料効率が8.34%改善する。オーストラリアの研究チームによる360羽の試験から、「卵はなぜ朝か」を生物学と飼育現場の両面で読み解く。
-
黄身が濃い卵ほど栄養価は高いのか?──卵黄色とカロテノイドの意外な関係
濃いオレンジの黄身は「栄養が濃そう」に見える。しかし実際はどうなのか。ポーランドの研究チームが、マリーゴールド・カレンデュラ・バジル・タンポポの4種類の植物を飼料に混ぜて卵黄色とカロテノイド量・抗酸化力を比較した。結果、最も濃い色をつけたマリーゴールドは確かにカロテノイドも最高だったが、最も薄い色のバジル卵が抗酸化力で最強──「色=栄養」は部分的にしか正しくないという意外な結論。
-
ニワトリはどこまで賢いのか?──数える・待つ・覚える、認知研究が示す知性
ニワトリは「ただの家畜」「頭が悪い」というイメージで語られがち。だが行動・認知研究は別の姿を示す。新生雛は数を比較でき、成鶏は遅延満足ができ、群れの仲間を顔で識別し、他個体のストレスに共感する。スウェーデンの研究チームが、ニワトリと原種セキショクヤケイの認知研究30年分を整理したレビュー。ニワトリの賢さの実像と、それが飼育設計に何を示唆するかを読み解く。